今人気の和精油の種類・効能とは?おすすめのブレンド8選
みなさん精油(アロマオイル)はどんな香りが好きですか?人気なのはラベンダー、柑橘系、フローラル系が多いですよね。最近では「和精油」という自然由来の日本の香りの精油が注目されているんです。今回はあまりみなさんにとって馴染みのない「和精油」について詳しくご紹介していきます。
2019年01月07日更新
[1] 和精油とは?
フランスでアロマテラピーという言葉が生まれ、日本では1980年頃から精油(アロマ)が普及しました。しかし、日本人は昔から冬至の日にゆず湯をしたり、ヒノキ風呂に入ったり、精油的な要素が生活の中に組み込まれていました。今回は実は身近に私たちの日常に存在していた和精油について触れていきたいと思います。
和精油の特徴
和精油とは日本の土地で育った植物から作られる自然由来の精油です。和精油は大きく2つに分類されます。
①ヒノキ、スギなどの樹木系
②ゆず、みかんなどの柑橘系
和精油にはヒノキ、ゆずなどみなさんにとって聞き馴染みのあるものからクロモジ、モミなどユニークなものもあります。このように和精油は香りのバリエーションが豊かであることが特徴です。
和精油の3つの魅力
1.ほっと癒される香り
精油と聞くと、ラベンダーや柑橘系が思いつくと思います。このような外来的な香りははじめは違和感を覚えるかもしれません。しかし和精油は私たち日本人にとってはどこか懐かしいような香りばかりです。ゆずやヒノキは入浴剤の香りとしてもとても人気です。和の心を持っている私たちにとって和精油はほっと落ち着ける香りなのではないでしょうか。
2.安心・こだわりの国産
和精油は日本の土地で育てられた植物から抽出されている精油です。和精油を嗅ぐと、どこか懐かしく心地よく感じるのはやはり私たちと同じ日本の土地で生まれ育っているからなのでしょう。身も心もスーっと馴染んでくれる感じがしますね。
3.農林業・地域活性化につながる
和精油は日本原産の植物から成り立っていることはお伝えしましたよね。特に木を原料とする和精油(例えばヒノキなど)は間伐材が使用されています。間伐材は今まで処分されていたものなので和精油によって有効活用されているのです。また、地域の活性化のためにご当地和精油も人気が出ており、注目されています。
[2] 和精油の種類別にみる特徴と効能、活用方法
ゆず
・特徴
和精油の中でゆずは定番の香りです。柑橘系のすっきりとした香りが特徴で、大変人気があります。ゆずには「リモネン」という成分が60%以上含まれています。リモネンには血管を拡張し血流を促す効果があります。そのため、ゆずには体を温める作用があると言われています。昔からゆず風呂が楽しまれていたのはこのためですね。
・効能
▼心への効能
・イライラを抑制し、心を落ち着かせてくれる
・すっきりとした香りで気持ちを切り替えてくれる
▼身体への効能
・血行を促進し、体を温めてくれる
・免疫力を高めるため風邪予防に効果あり
・発汗作用
・利尿作用
・むくみ解消
・保湿効果
・おすすめの活用方法
リラックスしたいときはアロマバスがおすすめです。
【アロマバスの方法】
お風呂の湯にゆずの精油を2.3滴垂らした乳化剤を入れるだけです。同様に足湯にもこれは応用できます。ゆずの香りに包まれて、心身ともにリラックスが期待できます。
敏感肌の方や昼間の使用は避けましょう。
ハッカ
・特徴
ハッカと聞けば、すーっとする飴のイメージが強いかもしれません。このすっきりとした香りの正体はメントールと呼ばれる成分です。よく薬用リップに使われている成分ですよね。ミントは和製ハッカ、西洋ハッカ、スペアミントの3種類があります。その中でも和製のハッカは日本では割と長い歴史があり、江戸時代から広く栽培されるようになりました。ハッカは別名クールミントと呼ばれておりメントールの成分はペパーミントの1.5倍も含まれています。
・効能
▼心への効能
・リフレッシュ効果
・イライラやストレス軽減
・リラックス効果
▼身体への効能
・消化不良
・鎮痛作用(筋肉痛や肩こり軽減)
・抗菌効果
・おすすめの活用方法
気分をすっきりさせたいとき、集中力を高めたいときにおすすめはこちらです。
【マグカップで簡単アロマ】
<方法>
マグカップなどの容器にお湯を入れ、精油を2.3滴垂らすだけです。お部屋に置いておくだけでハッカのすっきりとした香りが広がり、すーっと気持ちが晴れやかになります。間違って飲まないように十分気をつけてくださいね。
ヒノキ
・特徴
ヒノキは昔から日本人は長く親しんできました。例えば湿気に強いという特性を生かしてヒノキ風呂、神社などの資材として重宝されています。他の木と比べて香りが強く、森林浴をしたような安心感をもたらしてくれます。
・効能
▼心への効能
・ポジティブな気持ちにしてくれる
・リラックス効果
・気持ちを落ち着かせてくれる
▼身体への効能
・抗菌効果
・消臭効果
・防虫効果
・血行促進効果
・むくみ防止効果
・皮膚の炎症の抑制
・老化防止
・鎮痛効果
など
・おすすめの活用方法
ヒノキは消臭効果に優れているため、トイレに使うことをおすすめします。
<方法>
トイレットペーパーの断面に精油を2~5滴垂らしてトイレ内にストックしておくだけ。香りは1週間ほど続きます。精油には殺菌効果もあるのでこんなに簡単にトイレを清潔に保ってくれますよ。
スギ
・特徴
スギは日本人にとって最も馴染みのある木の一つなのではないでしょうか。昔から全国各地で栽培され、建材として役立ってきました。毎年スギ花粉に悩まされる方も多いでしょうが、そんなスギにもさまざまな効果があるんです。スギは木のさわやかな香りが特徴的です。
・効能
▼心への効能
・気持ちを落ち着かせてくれる
・リラックス効果
▼身体への効能
・血圧を下げてくれる
・呼吸が深くゆっくりしてくれる
・安眠効果
・抗菌効果
・防虫効果
・おすすめの活用方法
防虫効果のあるスギの精油はタンスに活用することがおすすめです。
<方法>
水50mlにスギの精油5滴を垂らし、45mlの精製水を加えたものをスプレーボトルに入れてタンスの衣類にスプレーするだけ。簡単なのに虫が寄りつかないようにしてくれます。
ショウガ
・特徴
ショウガはみなさんにとってアロマのイメージがないかもしれません。薬味のイメージの強いショウガですが、昔から身体にいいものとして食や医療の分野で活躍してきました。そのため、ショウガの精油は身体を元気にしてくれる効果ばかりです。
・効能
▼心への効能
・やる気を引き出して行動的になれる力をくれる
▼身体への効能
・身体を温め、活力を与えてくれる
・食欲不振の解消
・消化作用
・便秘、下痢解消
・免疫力アップ
・風邪などの悪寒
・疲労回復
・腰痛解消
・抗感染作用
・おすすめの活用方法
ショウガは身体の冷えに効くのでバスソルトに混ぜてお風呂の時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
<方法>
バスソルトにショウガの精油を2.3滴混ぜてお風呂に入れるだけです。身体の芯まで温めてくれ、翌日になっても冷えを防止してくれます。
皮膚刺激があるため、敏感肌の方は使用を避けましょう。
シソ
・特徴
シソもショウガ同様、薬味のイメージが強く、シソの精油は想像がつかない方が多いのではないでしょうか。シソは昔から身体に良いとされ、日本人にとっては重要な役割を果たしてきました。シソの精油はハーブ系のシソの香りがするすっきりとしたアロマです。
・効能
▼心への効能
・憂鬱な気持ちをなくし、明るい気持ちにしてくれる
・リラックス効果
▼身体への効能
・去痰作用
・鎮咳作用
・肺の疾患
・風邪や感染症予防
・コレストロールを減らす
・心臓の負担を減らす
・食欲増進効果
・食中毒予防効果
・おすすめの活用方法
なんだか憂鬱だなと思った時は芳香浴がおすすめです。やり方は憂鬱な時にすぐできる簡単な方法をご紹介します。
<方法>
コップにお湯とシソの精油2.3滴を入れるだけです。すぐにできて気分がリフレッシュするでしょう。
カボス
・特徴
カボスは柑橘類として日本人には馴染みのあるものではないでしょうか。カボスは薬味としても、彩りとしても、ドリンクやデザート何にでも使われていますよね。カボスにはリラックス効果の成分であるピネンやリモネンが多く含まれています。
・効能
▼心への効能
・リラックス効果
・怒り、イライラを軽減
・ストレス解消
・気持ちを落ち着かせてくれる
▼身体への効能
・血行促進効果
・冷え防止
・消化促進
・新陳代謝の活性化
・疲労回復効果
・おすすめの活用方法
カボスはリラックス効果や血行促進に効果があるため、寝る前に使うことをことをおすすめします。
<方法>
スプレー容器(30ml)に無水エタノール(5ml)、精製水(25ml)、カボスの精油5滴を入れ、混ぜて完成です。ベッド周りや枕にひと吹きするとカボスの香りが広がってゆっくりと就寝タイムを楽しんでいただけます。
キンモクセイ
・特徴
外出した時、キンモクセイの香りがすると秋の訪れを感じさせてくれますよね。あのうっとりするような甘い香りに癒されている方は多くいるのではないでしょうか。そんなキンモクセイの香りはアロマで楽しめます。
・効能
▼心への効能
・リラックス効果
・ストレス解消
▼身体への効能
・ダイエット効果
・鎮静作用
・アンチエイジング効果
・不眠症防止
・整腸作用
・おすすめの活用方法
自宅でゆっくりしたい時はアロマディフーザーに水とキンモクセイの精油を入れて楽しむ方法がおすすめです。甘い香りに癒されてゆったりとした気分になれます。
クロモジ
・特徴
クロモジはあまり聞いたことがある方は多くないかもしれません。クロモジは日本で古くから主に伊豆地方、四国、九州に生息する植物です。大量に精油が作られないことから希少価値が高いです。森林の香りの中にフローラルな甘さが混ざった香りです。
・効能
▼心への効能
・リラックス効果
・気持ちを落ち着かせてくれる
・気持ちを切り替えてくれるリフレッシュ効果
▼身体への効能
・殺菌効果
・防虫効果
・消臭効果
・安眠効果
・免疫活性作用
・肌への保湿作用
・おすすめの活用方法
森林浴のようにリラックスできるクロモジのアロマはお風呂で使うことをおすすめします。
<方法>
お風呂に2〜3滴のクロモジの精油を入れるだけです。半身浴をしながらクロモジの森林の香りを楽しんでみてください。
モミ
・特徴
さわやかなウッディー系の香りがするモミ。マツ科の植物で、精油はシベリア産が一般的ですが、現在日本のモミから抽出された和精油が多く販売されています。
・効能
▼心への効能
・不安解消
・リラックス効果
・ストレス解消効果
▼身体への効能
・インフルエンザ、風邪予防
・呼吸器系の症状に効く
(喘息、気管支炎、咳、副鼻腔炎、痰など)
・血圧抑制効果
・おすすめの活用方法
風邪に効くモミの香りは加湿器付きのアロマディフーザーで使用してみてください。自宅にいて乾燥してるなと思った時にいかがですか。モミ精油は空気を綺麗にしてくれる効果もあるのでおすすめです。
ヒバ
・特徴
ヒバは日本原産の植物で青森から鹿児島まで広く分布しています。ヒバにはヒノキヒノキチオールという成分が含まれており、抗菌、殺菌、防虫などに効果があります。そのため昔から建築の分野で活躍してきました。
・効能
▼心への効能
・リフレッシュ効果
・リラックス効果
・ストレス解消効果
▼身体への効能
・不眠症改善効果
・肌の保湿効果
・おすすめの活用方法
不眠症改善に効果のあるヒバは眠れない夜に使用するのをおすすめします。コップにお湯と2.3滴のヒバの精油を入れるだけの方法はすぐにできます。簡単にできるので寝る時間を確保しながらアロマを楽しんでいただけるのではないでしょうか。
月桃(げっとう)
・特徴
月桃はショウガ科の植物ですっきりさわやかなハーブ系の香りです。沖縄に生息している月桃の精油は少量しか取れず、非常に希少価値のある精油です。
・効能
▼心への効能
・不安解消
・緊張緩和
・落ち着いた気持ちにさせてくれる
▼身体への効能
・集中力を高める
・血圧抑制効果
・安眠効果
・防虫作用
・殺菌作用
・花粉症の緩和
・肌への保湿効果
・アンチエイジング効果
・おすすめの活用方法
保湿効果のある月桃の精油はクリームとして使用することをおすすめします。実は意外と簡単に手作りできます。
<方法>
よく練ったシアバター(大さじ1程度)に月桃の精油4滴を加えよく混ぜるだけです。リップクリームやハンドクリームなんでも使えます。乾燥した肌に使うとしっとりなめらかな肌に仕上げてくれますよ。
コウヤマキ
・特徴
すっきりとした森林の香りが特徴的です。コウヤマキは日本特産の植物で昔から棺桶の材料など材木として使われてきました。最近では航空会社のファーストクラスのおしぼりに香りが使われ、外国人観光客にも好評の香りです。コウヤマキの精油は採れる量が少ないため、希少価値が高いです。
・効能
▼心への効能
・リラックス効果
・リフレッシュ効果
・ストレス解消効果
▼身体への効能
・血液循環効果
・疲労回復
・消化促進
・免疫力強化
・デオドラント効果
(防臭効果)
・おすすめの活用方法
デオドラント効果のあるコウヤマキの精油は足湯がおすすめです。お湯に2.3滴のコウヤマキの精油を入れるだけで簡単にきになる足のにおいを抑制できます。
サンダルウッド
・特徴
サンダルウッドはアジアの建築分野で非常に役立ってきた植物です。香りはオリエンタル系の深みのあるウッディーな香りが特徴です。
・効能
▼心への効能
・気持ちを落ち着かせてくれる
・不安解消
▼身体への効能
・冷やす効果
・下痢、膀胱炎の不調
・去痰作用
・喉の痛み
・肌への保湿作用
・肌荒れ解消
・おすすめの活用方法
冷えに効果があるサンダルウッドの精油は冷湿布の方法がおすすめです。
<方法>
洗面器に2.3滴の精油を入れた水にタオルをひたし、絞るだけです。夏の暑い日、集中したい時におでこにこの冷湿布タオルを当てるとひんやりして気分転換になるでしょう。
[3] 和精油の効果別!おすすめブレンド8選
1.ストレス・疲労感解消
ゆず、ショウガ、ハッカ、ラベンダー、クロモジ
2.美肌・安眠効果
月桃、レモン(塗布の場合は、夜のみ使用)サンダルウッド
3.リフレッシュ効果
ゆず、カボス、ヒノキ
4.筋肉痛解消
サクラ、クロモジ、レモン
5.シャキッと目覚める
ハッカ、ホーウッド、ヒノキ、ビャクダン
6.消臭効果
コウヤマキ、カモミール
7.ゆっくり落ち着く
ヒバ、レモン
8.さわやかな気分になれる
シソ、ペパーミント、ライム
[4] 和精油に癒されてあなただけの香りを楽しもう
和精油にはリラックス効果の高いものが多くあります。日本人にとって、身近な香りは私たちの心や身体を癒してくれるのです。和精油同士の相性はとても良いのであなたなりのオリジナル精油を作って楽しんでみてはいかがですか?
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
日本でアロマテラピーが普及し始めてから十数年経ちました。
そしてここ数年、日本で育った植物から抽出される和精油が注目を浴びていることにとても喜びを感じます。西洋のハーブの香りも大好きですが、やはり日本産の精油の香りは強くはないけれど、どこか日本人と同じような性質をもった謙虚さのある優しい香りだなと感じます。
この和精油が日本人である皆様の心を癒すひとつのアイテムになってくれたら嬉しいです♪
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。